第51回 「手塚治虫作品と珈琲」
ジャパンコーヒーフェスティバルin宝塚
2023.11.2 ~ 11.5
今回の会場は昨年から2回目の開催の兵庫県宝塚市です。
昨年と同様、今回のテーマも「手塚治虫作品」です。そしてブラック・ジャックの連載が始まって50周年という記念すべき年ということもあり、数ある手塚治虫作品の中からブラック・ジャックをテーマとして珈琲を提供していただく機会となりました。
今回の題材となるのは今年50周年を迎えた
「ブラック・ジャック」無免許の天才外科医ブラック・ジャックが主人公の医療漫画です。
本作品中には、コーヒーを飲む場面が出てきます。このお話の中に登場している珈琲の味わいを、出店する珈琲屋さんに創造していただきます。珈琲を味わいながら作品の世界にどっぷりと浸かってみてください。
カフェ心月
出品コーヒー 心月ブレンド『真珠』
テーマとする作品「ときには真珠のように」
真珠のように輝く珈琲豆をイメージして焼き上げたブレンドをご提供してくださいました。
最終ページの台詞「人間が生き物の死に。自由にしようなんておこがましいとは思わんかね…」この一言が店主さんの思いと一致して作品を選ばれたそうです。
ショッピングプラザコーヒー
出品コーヒー「人間が珈琲を自由にしようなんておこがましいとは思わんかね」
テーマとする作品「時には真珠のように」
作中に出てくる二人の医者の闇を深く、深く焼いた珈琲に投影させ表現されていました。
自家焙煎 Cafe Kikitano
出品コーヒー「ぬくもりと温もりのあいだ」
テーマとする作品「侵略者(インベーダー)」
インベーダーに入れ替わっているかもしれないと疑う息子に母親が淹れたコーヒー。
複雑な心境を4種の豆をブレンドし表現されていました。
北摂焙煎所
出品コーヒー自社契約農園『ブラジル樹上完熟豆』
テーマとする作品「侵略者(インベーダー)」
自社契約でブラジルのコーヒーを扱っておられます。農園の方々は、自分たちのお店のことを知らないが為にインベーダーのように思われているかもしれない。といった思いをコミカルに珈琲に落とし込みます。
今年の開催は花の道・さくら橋公園も会場として使用させていただきました。
TOBERA
出品コーヒー「木の芽はる、空が晴る」
テーマとする作品「木の芽」
とある男の子の身体に突然、木の芽が生えてくるという衝撃の作品をテーマに
様々な気持ちに寄り添い、一緒に立ち向かってくれるコーヒーを。との思いでご提供してくださいました。
アカマツ珈琲
出品コーヒー「ハデス、もしくはオシリスへ捧ぐ」
テーマとする作品「死者との対話」
今回のテーマを読み、妄想や、作品への膨らみパンフレットには書ききれなった思いを別紙にまとめた資料を製作されていました。
みさご珈琲
出品コーヒー「逸る心、見守る心」
テーマとする作品「研修医たち」
作品の中に描かれている焦りや、優しさを織り込んだコーヒーをご提供してくださいました。
にじのわコーヒースタンド
出品コーヒー
「クロオの信念〜死の誘惑を切り裂いて〜」
(エクアドルグレーとマウンテン深煎り+ペルー マチュピチュ深煎り)
テーマとする作品「ふたりの黒い医者」
この物語に、ご自身の生まれ育った境遇を重ねてコーヒーに落とし込んでおられました。
喫茶あおい
出品コーヒー「窮地大逆転」
テーマとする作品「助っ人」
物語に登場する主治医が周囲から受ける嫌がらせをブラック・ジャックの神業が窮地を大逆転させる。
悪役をぎゃふんと言わせる爽快感をコーヒーで表現されていました。
会場として使用させていただいた
宝塚市立文化芸術センター前、みんなの広場は芝生が広がり、緑が豊かで開放感のある場所です。
散歩しながら、コーヒーを飲まれる方もたくさんいらっしゃいました。
Yeti Fazenda COFFEE™️
出品コーヒー「BLEND COFFEE Snow」
テーマとする作品「雪の訪問者」
雪の訪問者とYetiが被っていることからYetiが淹れるコーヒーをブラック・ジャックに。とご提供くださいました。
自家焙煎 Healing Cafe Metheon
出品コーヒー「生と死を奏でるカルテット(四重奏)」
テーマとする作品「死者との対話」
「生」と「死」、そこに取り巻く環境、曖昧な世界観をご自身の体験を基に4つのコーヒーを用いて表現されていました。
サンパチ珈琲焙煎所
出品コーヒー「10年や20年長生きすることが虚しいかどうかは、珈琲を飲んでからゆっくり考えてくれ」
テーマとする作品「死者との対話」
「どうせみんな死ぬんだ」と呟いた若者へ、口に含めば一瞬で消える珈琲という存在を飲みながら、時間というものの価値について沈思黙考してもらえるかな。そのあとで、やっぱり頑張ってみようと思って欲しいな、という気持ちをコーヒーに託して…
まちは人の育つ土壌のようなものです。
近年、まちづくりが盛んに言われていますが、
その土壌を豊穣な場所にするには、その上に動く「生命」が確かに存在することも必要です。
豊かさとは経済と文化、そうした生命が健全に循環し生きていることから現れる現象だと考えています。そうした様々なことを体験するイベントが開催できる大変素晴らしいまち、それが宝塚市であると感じています。
人が生きていく上で文化は必要です。
珈琲は文化の隣でいつもそっと在る、そんな飲み物です。
こうしたイベントを文化の日と絡めて
(11月3日は手塚治虫さんの誕生日でもあります)開催できること、大変光栄に思います。
この度はお越しいただきありがとうございました。